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担ぎ屋のおばさん露店

今日もしつこく野菜だ。
東京には、何十年も前から千葉県から「行商のおばさん」がやってくる。
40〜50kgもの野菜や米やもちや時には鶏肉や干物を背負って。

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大正時代の京成線開通当時から、農家の主婦は野菜を、
海岸部の主婦は海苔や魚介を背負って、近郊住宅地に売り歩いたのだとか。
終戦後、食糧難の東京に行けば何でも売れるというので、
沿線の農家の女たちはこぞってカゴを担ぎ、行商人はまたたく間に増えた。
昭和23年には、おばさんたちが2500人からなる組合も作っている。

昭和50年代になると、東京の食糧事情も安定して商店街が発達し、
おばさんたちは300人台に急速に減少。
数年前の取材時には、70人あまりで「70歳が若手」と高齢化している。

それでもおばさんたちは、朝5時起床
朝食を作って洗濯物を干してから、商売に出掛ける。
自家製野菜で足りない時は、近隣の農家から譲ってもらったり、
駅や車内でおばさん同士で都合を付ける。
餅屋や九十九里から来る魚屋から、客の注文に応じた仕入れもする。

朝9時ごろ、東京に到着。お得意さんの家を回ったり、
写真のようにお馴染みさんの家の軒下を借りて、店開きをしたり。

実は私の生家にも、おばさんが来てくれていたのだが、
今にして思うと、新鮮な旬の野菜や、時には干物やさばきたての鶏肉など、
都会に居ながらにして、良質な食材をいただけたのは、
生産者と消費者をつなぐ彼女たちのおかげなのだと、
感謝の念にしみじみするのだった。

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そんな訳で、この日の私が食べたのは、

・レンズ豆と豚挽肉のカレー
・野菜サラダ
・キャベツスープ

数日ぶりの夫特製夕食。美味。

by sibamataumare | 2008-05-26 23:59 | 地面すれすれ