燃えるな おかき
姫路在住の友人から、緑や黄色の薄っぺらで四角い板が、
たくさん詰まったビニール袋が送られてきた。
これは何なのか。
どうやら食べ物である気もする。
念のためオーブントースターで焼いてみた。
台所に真っ黒い煙がもうもうと立ちこめて、燃えて黒焦げになってしまった。
これは危ない危ない、暗中模索でようやくいい塩梅に焼き上げると、
それはほんのり甘みのある煎餅状のお菓子となった。
送り主に聞くと、それには「かき餅」という名があった。
何でも近所の方々が、それぞれの家庭の味を手作りするのだという。
餅に色素で色つけしたり、青のりやクルミ、ゴマ、生姜などを練り込んで整形し、
5㎝角ほどの極薄の板状に切って乾燥させる。
これを炭火で焼くと、ほどよくふくらんでサクサクとした
歯触りのかき餅になるのだ。
これに類する食べ物は、三重県の友人からもいただいたことがある。
東京でも「たぬき煎餅」と称して、
縁日などで七輪の上で焼きながら実演販売している。
でも手作りするというのは、初めて聞いた。
私は、粉ものや餅類が大好きなので、
焦がさないように注意しながら焼いては食べた。
お気付きの方もあるとは思うが、この写真は話にある「かきもち」では決してない。
肝心の現物は、ついつい全部食べてしまったのだ。
いつかまた入手したら、ちゃんと写真を撮っておかねばと、反省している最中だ。
で、これは何かというとおでんである。
それも「姫路おでん」というのだと、
件の友人夫婦は、以前美味しい店に案内して教えてくれた。
どこが違うのかといえば、姫路人はだし汁で煮てあるのに更に食べる直前、
生姜醤油をつけていただくのだ。
とはいえ辛すぎることもなく、あっさりとして美味。
何よりさすが海の幸豊富な瀬戸内海で育まれた練り物文化。
おでんの具は、ことごとく美味なのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・