信濃大町そばどころ
きのこそばである。
美味なんである。
嗚呼、食べに行きたい。
でもちょいと遠いんである。
信州は信濃大町のあるそば屋の献立だ。
一昨年は仕事の都合でこの町に毎月通っていたから、何かとそばを食べていた。
駅の近くに観光客に有名な店があるが、店内が禁煙なのでうちは寄りつかない。
それより地元の知り合いに教わったり、その辺をぶらぶらして見付けたざっくばらんなそば店が、何処も美味なのであった。つまりそばどころなんだろう。
こういう山裾のそば屋に入ると、きのこや山菜は当たり前のように天然もので、誰かが山から採ってきたものを塩蔵したり冷凍したりして保存し、在庫がある限り客に出している。
これがまた美味しいのである。
この場合、そばは手打ちであるのは当然としても、地粉であるかどうかは我が家ではそれほど問題ではない。通常の商売をする以上、やっぱり安定供給源である北海道産も多いし、価格や季節によっては舶来ものである可能性だってあるかもしれない。
私たちはそばを食べるために旅をしているのではなく、あくまでも仕事の途中での食事なので、「のんびりできる」「落ち着く」「普通の値段でちゃんとお腹がいっぱいになる」「付きだしの小鉢が無料でしかも奥さんの手作りその上郷土の味」なんて方に、心がグッと傾いてしまうのだ。
でもやっぱり「そば文化」が脈々と息づく土地の人が、清冽な水でこねて打ったそばは、えもいわれぬ美味しさなのだった。
今頃、雪なんだろうな。
商店街のアーケードの雪を下ろすために、メインストリートは時折通行止めになった。今年は何回、足止めになるのか。
ま、ともあれこの夫婦はとにかく果てしなく旅をしているので、
あっちこっちでいろんなものを食べ続けているのだ。
もちろん、高級料理店には、とんと縁がない。
折に触れて、諸国で食べたものを書いてゆこうと思う。
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そんなわけでその日の私が食べたのは
・きのこそば(確か地元の山で採ってきたチタケなど入り。生卵添え)
・付きだしの煮物(行くたびに、お袋の味的付き出しが楽しみだった)
小上がりの座敷で夫は一杯やるのが好きなのだ。