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鳥がいく

漁師さんと一緒にいると、やたらと鳥に会う。
カモメなんか、ご覧の通りだ。

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別にお友達な訳ではなく、魚が欲しいだけだ。

奴らも心得たもので、定置網を引き上げる時とか、
いらない魚を放り投げる瞬間とか、
見事に漁師の仕事ぶりを把握しているのがおかしい。
そして一通りの仕事が済むと、さっさとどこかへ消える。

逆に、カモメの群れから魚の存在を漁師が知ることもある。
奴らが餌とする小魚の群れが水面に現れれば、
それをまた餌とする魚が追いかけてくる。
これをまたまた漁師が狙う。天然魚群探知機だ。

先日、磯場でヒジキ刈りをしていたら、
少し離れた岸辺の岩礁にカモメが群れていた。
「恐らくカタクチイワシが岸に寄ってるんだろう」と、漁師さんはいう。
ところが眺めているうちに、鳥がみるみる茶色くなった。
カモメが去って、トンビが回り始めたのだ。

「へえ〜、トンビも魚取るんですか」と感心する間に、
今度は真っ黒な群れになった。
カラスだ。
こんな所にも、過当競争はあるのかと驚いた。

そしてこの前、漁港で仕分作業を見守る鳥たちがいた。
これもまた、最初はカモメ、お次はトンビ、そしてカラス。
仲買人が魚をさばいてアラを投げると、岸壁はカラスが独占。
果敢にも一羽だけカモメが粘っていたが、どうも力関係があるらしい。

それでも鳥たちの動作は、見ているだけで面白いのだ。
そして何だか切ない。

実は我が家にも鳥がいた。
これは全身鮮やかな黄緑色で、つばさを広げると極彩色の朱色や黄色が潜んでいる。
首の後ろだけ黄色いので「キエリボウシインコ」という。
インコといっても大きさは、まあ、カモメよりは小さい。
どちらかというと、海賊の肩が似合うタイプだ。

昨日が初めての月命日に当たる。

年齢は・・・・・多分50歳。
夫が小さい頃にメキシコから船乗りの親戚が連れてきた。
夫にとっては、どの家族よりも長い。
私はそこまでの付き合いではなかったが、
やたらしゃべる子だったから、鳥かごは空っぽになって随分寂しい。

by sibamataumare | 2013-04-10 22:27 | 日本中ぶらぶら