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貝剥きという女の仕事

往年の東京湾は、その多くの岸辺に干潟が広がり、
ハマグリやアサリ、バカ貝(青柳)といった貝類が、ごっそり生息していたという。

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沿岸の漁師町では、漁師たちが捕ってきた貝類を剥き身にする仕事がある。
昨日の生麦や、写真の千葉県船橋、そして富津などでは今も見かける。

富津の金物屋で、貝剥きをいただいたことがある。
フルーツナイフの先を、舌状に削ったような刃物だ。
店にいたら、近所のおばさんが「削り直して」と、自分の道具を持ってきた。

加工場だけでなく、家々の軒下やちょっとした作業場で、
女たちが集って、来る日も来る日も貝を剥く。
その鮮やかな手付きとスピードには、驚かされる。

昔は浦安が、その方面の専門だったというが、
漁業権放棄と埋め立てで、漁師もめっきり減ったから、
貝剥きの仕事はどうなったことやら。

東京湾はこの100年間で、約9割の干潟が埋め立てられてしまったのだ。
この頃、「食糧危機」とマスコミもかまびすしいが、
埋め立て地にそびえ立つテレビ局も、自分たちの足元そのものが、
魚介の宝庫だったことには気付いていないんだろうな。

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そんな訳で、この日の私が食べたのは、

・いさきの刺身
・大根とミョウガの浅漬け(もちろん手作り)
・大根の味噌汁
・カツオの薄口佃煮(手作り)

もう少しおかずがあった形跡もあるのだが、
原稿書きで遅くに帰ってきた私の夕飯、これで満足。
そして昼は昨日の穴子丼part2。至福じゃ。
もちろんどれも夫作

by sibamataumare | 2008-06-04 23:27 | 東京湾