「復興は進んでないよ」

先日、久々に東北の海辺に行った。

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その土地も、ご多分に漏れず岸壁が沈降していて、
コンクリートがバリバリに割れたままだし、
台風の高波もあって満潮時には下水道は逆流し、そこら中が水浸しだった。
泊まる予定の家も、散歩から帰ると城よろしく堀に囲まれていた。

やや、どうやって帰るのだ?
と、ぐるりと回るとようやく道につながる場所があった。
建物を1,8mかさ上げしたのだという。

もちろん建物が残ったこの家族は良い方で、
隣の集落は外洋に近い分、がらんどうの空き地になっていた。
昨年、合計4泊5日分の車での東北沿岸行では、
このような風景が、延々と続いていたことを思い出す。

家のご主人は漁師で、道具が全て流されてしまったため、
海苔養殖をやめ、今はワカメ養殖と刺し網漁を手がけている。

おいしい海の幸をいただきながら、ご苦労も何となく聞く。
「復興なんて、全然進んでいないよ」
「なのにオリンピックだなんて、びっくりしたわ」
「建材費も人件費も上がるだろう、困るな」

「仮設住まいの人がね、うちに来ると「ああいいなあ、この広さがね」って。
隣室の咳が聞こえる部屋に、もう2年も居るのが辛そうだよ」。

折しもテレビが、べらべらとしゃべり出した。
「隣町の残土が、この地のかさ上げ用に運び込まれることになりました。
これでようやく復興の新たな一歩です」。
えっ? 新たな一歩なのか? 
二年以上経っとるぞ。
本当に「全然進んでいない」という、彼らの言葉が身に沁みた。

「でもね、どんどん旅行に来て欲しいよ。現状を見てほしいんだ」
この言葉も、いろいろな場所で何度も聞いた。

翌朝、バリバリに割れたままの岸壁から小舟を出してもらう。
海も空も静かなる青色が、遥か果てまで広がっていた。



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そんな訳で、この日の私が食べたのは、

・茹でワタリガニ
・刺身各種
・生きたウニ
などなど竜宮城並みの大漁。

生きたウニを日本酒に入れる秘技をご主人から教わる。
至福。
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by sibamataumare | 2013-10-14 23:23 | 日本中ぶらぶら