田んぼ
久しぶりに、夫の田んぼを手伝いに行った。
といっても草刈りなどの軽作業だ。
山桜は満開、広場にはタンポポ。
田んぼの周りには、よもぎの新芽があちらこちらに芽吹いている。
思わず仕事を忘れてよもぎを摘みまくった。
草餅を作るにはうってつけの柔らかさだ。
のどかだなあ、と、ほっとした。
何があろうと、春は着々と国土に広がってゆく。
地元の農家さんと、のんびり話をした。
出荷制限のある地域はかわいそうだなあ」といいつつも、
「ここだっていつ言われるかわからないしね」とつぶやいた。
春爛漫で平和な農村にも、
そこはかとない不安が、ひたひたと近づいている。
都会でも「水道水」だ「放射能だ」とひやひやしているが、
彼らは家業に直結しているだけに、返す言葉もなかった。